「料理レシピ」カテゴリーアーカイブ

Jambon de Paris

Jambon de Parisジャンボンドパリはフランスではもっともポピュラーな加工肉でしょう。

ジャンボンとはフランス語でモモ肉のこと。ジャンボンドパリを作る時の難しさは、ズバリこの肉の塊の大きさ!
ポイントは①しっかり塩漬けする。②確実に中心まで火を入れつつ中心から遠い部分は火を入れ過ぎずジューシーに。この二つのミッションをどうすればクリアできるか、レシピに頼らず科学的に分析し、それぞれの料理人が全身全霊を注いで工夫すべき奥の深い料理です。

ジャンボンドパリを塩漬けする時、僕はソミュール液に浸けます。理由はできるだけジューシーにしたいのと、長い塩漬け期間でも肉の腐敗を防ぐためです。

塩漬けが終わると形成して常温でしばらく置いときます。形成するときは手の皮が破けるくらいの強い力で!仕上がりにかなり影響します。3℃くらいの冷蔵庫で塩漬けしていた肉をいきなりオーブンに入れると中心温度が十分に上がる前に周りに火が入り過ぎてしまいます。そう、この状態でも調理は始まっているのだ!

eight hills delicatessenでは加工肉の火入れにはスチームコンベクションオーブンを使います。高価ですがなんとか手に入れたい武器ですね。仕上がりが全然違います。

オーブンの温度やモード、時間や肉の向きなど僕なりにかなり試行錯誤してそれなりの答えを出しました。

詳しいことが知りたい方はお店に来て僕に直接聞いてみてくださいねー!

Burmese Bento

某大学のお客さんとしてミャンマー人の方達がいらっしゃった時、その方達の滞在期間中のお弁当を作らせて頂きました。

僕は海外のレストランで仕事してたこともありますが、おそらくミャンマーの方に料理を作るのは初めてです。会ったこともありません。

日本のパスポートはとっても優秀で、たくさんの国々に観光目的で簡単に渡航できますが、ミャンマーの人達は基本的にはビザの申請が必要で、しかも許可が出にくいようです。という訳で今回いらっしゃった人達も海外初の人達がほとんどでした。だからミャンマーの人達になかなか出会えないんですねー。日本人は恵まれた環境にあることを感謝しないといけないですね。だから、パスポートを盗まれないように気を付けましょう!

話は戻りますが、ぼくが言いたい事は、ミャンマーの人達の期待にお 弁当で答えるのは難しそうだと言う事です。

Wikipediaで調べると、ミャンマーの人達はチョー米食文化で、麺類も大好き。アヒと呼ばれるカレー炒め的な食べ物や和え物を日常的に食べてるみたいです。日本と違い水道水が飲めない国だと思われるので、おそらく生野菜なども食べないでしょう。

これらの情報と日々の皆さんの食べ方を元に、メニューを組み立てました。初日と最終日の写真を撮り忘れましたので、撮った分だけ載せます。

bento1上の弁当はチキンのアヒ、ホウレン草のおひたし、春雨の和え物、自家製のシャルキュトリー、などです。初日(初日の写真はありません)の反応を伺うと、全員、先ず麺類に手が伸びたそうです。予想通りの麺好き!あと、大根の煮物は、箸でツンツン突いて不思議がってた様子。大根は無いんですかね?とにかく面白いリアクションです。

上の弁当に関しては、意外にもハムに手をつけない人が半分くらい居たそうです。ハム類は世界中の人達に愛されてる食べ物だと思ってましたが、例外もあるんですね。

bento2

上のお弁当は3日目の物です。メインに照り焼きチキン。副菜に、海老のソース焼きそば、山芋のピクルス、ホタルイカ、きんぴらゴボウ、シラスのふりかけ。この日はかなりジャパニーズな感じで攻めてみました。基本的に外国人には不人気な、オクラや山芋のなどのネバネバ系、シラスやホタルイカのようなありのままの姿のシーフードをいれてみましたが、山芋とホタルイカは完食。シラスもお一人残されただけでした。ホント意外です。

bento3

お次は主菜に海老のグリーンカレー炒め。副菜に鶏肉とチンゲン菜の中華風、蕎麦にオクラ ネギ 生姜 のタルタル。などです。海老は皆さん大好物のようで、毎日でも食べたいらしいです。

bento4

次は主菜に,eight hillsの人気商品 ケイジャンチキンの手羽元バージョン。副菜に冷奴、牡蠣の塩焼きそばなどです。東南アジアの人達は、通常 豆腐は炒めたり 揚げたりするので、リアクションが楽しみ。普段 魚は淡水魚を食べるらしく、海の魚は苦手で生臭く感じるそうです。日本人が持ってる感覚と逆ですね。

bent5

これはペスカテリアンバージョンの物です。写真は載せてませんでしたが、お一人ペスカテリアンの方がおられたので、毎日一つだけシーフードメインの物を作ってました。

Let’s make サラミ4 (カビの培養1)

白カビのチーズを熟成庫内に置いて1週間ほどたちましたが変化が見られないので、白カビを培養してみることにしました。

白カビ 培養

この方法が合ってるのかどうかまったくわかりませんが、ブリーチーズの表面の皮を削ぎ、水の中に浮かべてみました。
右のグラスには少し砂糖を溶かしています。

菌の培養に詳しい方からアドバイスを頂ければ幸いです。

Let’s makeサラミ3

2012年の冬から挑戦し続けてるサラミプロジェクト。
僕が使ってる熟成庫では湿度の調整ができないので、十分な熟成期間をむかえる前にカチカチに干からびてしまってなかなかうまくいきません。

だから今回は、微生物の力を借りて熟成と発酵を早める実験をしてみます。

salami

前回同様ミンチにした豚肉と背脂に塩とスパイスを加え、粘りがでるまで良く混ぜ、ケーシングします。

下の写真は1週間乾燥させてから、温度を上げて1ヶ月熟成させた状態です。

1month

程よく水分が抜けて状態も良く断面もキレイで、風味も熟成肉独特のナッツの香り、順調に熟成がすすんでます。
ですが、塩にうま味が負けてるような感じで、うま味が十分ではありません。

うま味を増やすということは、肉のタンパク質を分解して、アミノ酸に変えるということです。
肉の中に既に居る微生物でも熟成しますが、それだけでは不十分なので、外からも微生物を付着させ、熟成そして発酵をより促進させる工夫が必要です。

with white cheese

熟成庫内に白カビ系のチーズをおいてみました。この状態でしばらく様子をみて、変化が無いようなら次の手段を考えます。

Risotto di primavera

スーパーの商品棚がすっかり春色になって楽しいなぁ。
春になるとあおい野菜が食べたくなりますよねー。
ということで「うすい豆のリゾット アスパラガスのグリル添え」を作ってみました。

risotto primavera1

ちなみに日本では昔、緑色という概念というか表現じたいが無かったらしく、緑色の信号を青と言ったり、緑色の野菜も青野菜と言いますが、もちろん欧米では違います。だからアメリカで青野菜と表現すると変な顔されます。「この人カラーブラインド?」みたいな感じで・・・面白いですね。ははっ!

うすい豆のピューレ
料理はプラモデルみたいなもんで、別々にパーツを組み立てて、最終的に一つの料理に仕上げるのがプロの仕事です。

まず、うすい豆はサッとブランチして薄皮を剥きます。

green peas1   green peas2

薄皮を剥く作業はかなりめんどくさいですが、この料理の味と食感に関わる大切な工程なので、根気強く頑張りましょう。

次にベジ ストックを加えながらブレンダーでピューレにします。

green peas3

ビューテホー!地味な作業が報われた瞬間です。あまり水っぽくならないように、加えるベジ ストックは最小限にするのがポイントです。

アスパラガスのグリル

asparagus

アスパラガスはフライパンで美味しそうに色付けして、低温のオーブンでやわらかくします。それだけでちょー美味しいのー

リゾットの仕上げ

リゾットはまず、弱火で香味野菜(みじん切り)の水分を飛ばすようによく炒めます。
今回は玉葱とセロリを使ってますが、もちろんお好みで。

sofritto

仕上がりを綺麗な緑色にしたいので、色が付かないように注意しましょう。

別のフライパンで米を強火で炒めます。

risotto1   risotto2

 

米を別で炒める理由は、米をオイルでしっかりコーティングして、形が崩れるのを防ぐためです。めんどくさいかもしれませんが、これで仕上がりに違いが出ます。
そして、この米を香味野菜鍋に加えなじませたら、白ワイン→ベジ ストック→バター→チーズ→うすい豆のピューレの順に加えていきます。

ポイントは、少しづつストックを加えていくことと、バターを加えて以降はあまり火を入れすぎない事です。特にピューレは火を入れ過ぎると色が悪くなるので注意。

risotto primavera1

仕上げにアスパラガスと目玉焼きをのせ、シブレット、チーズ、黒胡椒をあしらって完成。
フレッシュのうすい豆はこの季節とっても美味しいので、是非トライしてみて下さい。

Family Dinner at Montlake Howse

僕には5人のルームメイトがいて、当番制で毎週一回誰かが料理して皆んなで食卓をかこみます。他人同士で暮らしてるけど、家族みたい。だから僕はこのディナーが大好きです。
今週は僕の順番。ここ最近は日本料理が続いたので、今回は本職のイタリアンを振る舞いました。ルームメイトの中にはチョー肉食のやつもいればベジタリアンもいるので、豚肩肉のラヴィオリとマッシュルームのトルテッリの2種類の詰め物パスタを作りました。

長時間蒸し焼きにした豚肩肉の詰め物
豚肩肉は二日前からマリネして少し熟成させ、リソレしてから香味野菜と一緒に低温のオーブンで8時間ほど蒸し焼きにします。

braised pork

 

 

上の写真が蒸し焼きにした状態。豚肩肉はかなりテンダーで、指で軽く押すだけでほぐれます。下に敷いてる香味野菜も豚肉の旨みをめちゃ吸い込んでるので、もちろん使います。

pork filling1    pork filling2    pork filling3

左の写真の様に豚肩肉をチョップして、香味野菜をハンドミキサーでペーストにしたものと、卵、スパイス、ハーブ、チーズ、ヴィネガーを加えよく混ぜます。
この時点で信じられないくらい美味しいので、もう勝ったようなもんです。

マッシュルームとリコッタの詰め物

まず 玉ねぎとニンニクをキャラメライズします。

mushroom filling1

ソフリットといってイタリア料理ではよくこの香味野菜のキャラメライズをしますが、実はかなり大切な作業で、料理の味を大きく左右します。

次にマッシュルームをスライスして加え、これもよく炒めます。きのこはパサパサにみえて実は水分をたくさんの含んでるので、水分を飛ばすようによく炒めます。

mushroom1   mushroom2   mushroom3

ラヴィオリの詰め物は水分が多いと味がぼやけてしまうので、しっかり水分を飛ばしてからナイフでチョップし、リコッタと卵、ハーブ、スパイスを加えてよく混ぜます。

パスタ生地
詰め物用パスタの生地にはあまりコシはいらないので、この生地には卵白を加えず卵黄と粉だけで作ります。

pasta dough1   pasta dough2   pasta dough3

マシーンを使わずに手でこねるとグルテンのパワーを改めて実感できます。たまには必死こいて手ごねしましょう。

豚肉の方はラヴィオリにして、マッシュルームをの方はトルテッリにしました。

ravioli   ravioli tortelli

詰め物パスタのソースはバターやハーブ、ブロードなどでシンプルに仕上げ、生地と具の美味しさを堪能しましょう。

※分量や詳しい工程は書いてませんが、Lecole Vantanの卒業生達なら作れるはずなので、時間のある人はトライしてみてください。

Lomo!

サラミに続いて豚ロース肉のロモのケーシングにも挑戦。
前回ロモを作った時ケーシングしてなくて乾燥し過ぎたので、その反省をいかし今回はケーシング。
一昼夜塩漬けしたロース肉の塩を洗い流し、パプリカをすり込んでからのケーシング。
    

楽しみやなぁー。

Let’s make サラミ2!12/4/2012

乾燥二日目。
もう牛腸が透明になって少しドライな感じになってきた。熟成庫の底には水がいっぱい溜まってて、脱水の激しさが伺えます。

しかし腸って不思議やなぁ。底に溜まってる水を舐めてみたら、無味無臭とまでは言えないけど、ほとんど水しか通してない。不思議やなぁ。

Let’s make サラミ1!12/2/2012

ソーセージやハムは大きく分けると加熱と非加熱の物があり、ドイツや北フランスではフランクフルトなどの加熱の物、スペインやイタリアなどの南ヨーロッパでは生ハムやチョリソーなど非加熱の物が比較的多いみたいです。
日本では明治以降イギリスやフランスなどの北欧の西洋文化が中心に入ってきたので、未だに非加熱の加工肉に対する理解が浅く、あまりたくさんの種類を輸入する事が出来ないみたいです。非常に残念なことに・・・

じゃあ作りましょう!
まず、新鮮な豚の腿肉と背脂(割合は赤身8に対して脂2 )をミンチャーにかけ易いサイズにカット。でも僕は脂はナイフでカットしてミンチャーにはかけません。
 次に塩と胡椒、スパイスなど(塩は肉の重さに対して2~3%くらいかな)を加えて、粘りが出るまでよく混ぜる。NBAの選手がボールをわし掴みするみたいに持ち上げれる状態になったら、早速牛腸にスタッフィング。腸は羊でも豚でも構いませんが、一晩くらい水にさらしましょう。

   

そして形を整えるために軽くタコ糸で縛ってあげたら完成。後は、地下室か冷蔵庫で2週間ほど乾燥させてから熟成の工程に入ります。
ちなみに冷蔵庫に入れるとルームメイト達に嫌な顔されるので、僕専用のワインセラーを熟成庫にしてます。
 オーマイ・グッドネス!映画The Flyで産まれてくる赤ちゃんみたい。
早く熟成庫に閉じ込めよう。