「スペイン&モロッコ」カテゴリーアーカイブ

Matanzaの旅2

2011年11月8日 マタンサ当日

朝9時にGarcia Lizanaに到着し、店頭で販売しているおっちゃん達に、身振り手振りで日本からマタンサ体験に来ていることを伝えようとしましたが、おっちゃん達はハテナマーク。困っているとこにボスっぽい人が登場。
僕はスペイン語が全く話せませんが、大阪に住むスペイン人の友人が事前に打ち合わせしてくれてたので、「オー 君がハポネスのタケシローか。聞いてるよ。」みたいな感じでなんとか潜入成功。

antonio

そして左の彼、アントニオが、豚の屠殺→解体→塩漬→ケーシング→熟成の工程を実際に現場で丁寧に説明してくれました。一般には公開しないという約束で、ビデオや写真の撮影も許可してくれました。映像を見たい方は直接僕にご相談ください。かなりショッキングな映像なので、心の準備が必要ですが。

アントニオはとっても親切なナイスガイで、スペイン語の解らない僕に、わざわざパソコンの翻訳機能を使って、すごく丁寧に説明してくれました。ホントにありがとう。

マタンサの工程を簡単に説明します。まずは屠殺です。5匹ほどの豚が屠殺場に連れて来られ、電気で気絶させ足から吊るして、心臓の動いてる間に首の動脈をカットし、血を出します。この血はMorcilla(モルシージャ)というソーセージに使われます。
次に体をドラム式洗濯機みたいなマシーンで洗い、毛を焼きます。
そして流れ作業でどんどん解体されていきます。

もも肉や腕肉はハモンセラーノやパレタなどの生ハム用に塩漬けされ、乾燥→熟成へと流れて行きます。バラ肉のパンセタやロース肉のロモなども同様です。

塊で使えない部位はミンチにされケーシングし、サルチチョンやチョリソーなどのソーセージになります。

jamon serrano1    jamon serrano2

ハモンセラーノの熟成庫にはたくさんの生ハムが吊るされていました。
熟成肉の独特の香りや、レストランの前で肉を長時間ブレイズした香りを嗅ぐと「ヨーロッパやー」と感じるのは僕だけでしょうか?とにかくたまらん匂い。セルベサ欲しー。

 

朝ごはん1   朝ごはん2   朝ごはん3

お昼も近いのに「朝ごはん食べに行こう」と言われ、工場の隣りにあるカフェにサラミ持参で行きました。

地元の人と地元のものを食べると食文化の違いを見ることが出来ます。
南スペインでは、何故かコーヒーは、食堂のお冷グラスみたいなコップ(スペイン北部ではコーヒーカップらしい)で出て来て、しかも頼んでもないのにミルクと砂糖がタップリ。
で、そのコーヒーの砂糖をスプーンでグルグルかき混ぜながらの世間話。5分くらい。もぅ砂糖溶けてるっちゅーねん!これマジなんです。

上の写真のパンは、ナイフでしつこいくらい刺して、エクストラ バージンオリーブオイルをびちゃびちゃになるまでたっぷりかけます。トマトペーストは普通にぬって、仕上げは工場から持参のサルチチョン。みんなこれが大好き。

マタンサを見学する前に、「お前ホントに大丈夫か?」と念を押されました。
アントニオによると、マタンサを見学した人はよく、気分が悪くなったり、気を失ったり、お肉を食べられなくなったりするからです。
しかも見学に来るほとんどの人は、獣医さんや屠殺の研修の人などで、料理人は来ないらしい。
だから見学後に、がっつりサルチチョン食べてる僕を見て、「タケシローはここで働けるね。」っていってました。
子供の頃、飼ってたネコやイヌが死んだ時は、ショックでめちゃ泣いてたのに、いつの間にかウサギさばいたり(卯年やのに)、魚しめたり、図太なったなぁ・・・

 

garcia lizana6   garcia lizana7    garcia lizana8

 

今回のマタンサ体験で、Garcia Lizana(ガルシア リザーナ)を紹介してくれた、友人のAniと彼女のお父さんには大変感謝しています。本当にありがとう。

 

Matanzaの旅 1

2011年11月6日
今回はMatanza(マタンサ)を体験するためにスペイン南部に来ております。

ところでMatanzaって何でしょう?簡単に言うと豚を殺してハムやソーセージを作る事ですが、昔からスペインでは儀式的に行われてきた行事です。昔は広場でお祭り的に行われたり、ご近所同士でやったりしてたらしいですが、最近はもっぱら工場生産されてるみたいですね。日本でも最近は魚の三枚卸し出来る人があんまりいないのと同じかな?違うかな?
とにかくスペインのチョリソーやハモンセラーノ、ロモなどのCured meat加工を体験したくてやって来たんです。

しかし、格安航空券で来たので、深夜12時過ぎにMalaga(マラガ)の空港に到着。運良く空港でダウンタウン行のバスをキャッチ出来たけど、深夜の見知らぬ町をデカイスーツケース転がして歩くのはやっぱスリルあるなぁ。
とにかく無事ホステルに到着。外は週末で楽しそうやったけど、明日は早いし、疲れてるので就寝。

ボンジョルノ!はイタリア語か・・・ ブエノス ディアス!
早起きは気持ちイイなー。天気も良いのでのんびりバスターミナルまで歩こう!

plaza de la marina

日曜日なので、公園でお祭りみたいな事してました。夜は見えなかったけど、僕の大好きなヤシの木がいっぱい。やっぱ南スペインは温いなー。

スペインでの移動は電車より車かバスが便利なので、基本的にはバス移動。ターミナルに早く着いたので、近くのバルで腹ごしらえ。
ganba fritos         tortilla

なんじゃこりゃ〜!アンダルシア名物のGanba Fritos(海老フライ)を注文してみたら、ホカ弁みたいなガチの冷凍海老フライ出てきた。ガーン。右は同じく名物のtortilla(スペイン風オムレツ)・・・普通、まずくはない。でも何か釈然としないなー。僕の求めてるスペイン料理はこんなんじゃない! でもまぁ適当に選んだ店やしこんなもんか。もうチョット リサーチしてからまたトライしてみよう!

olive trees1     olive trees2
Matanzaの目的地、Rojaに向かう途中の景色。延々と美しいオリーブ畑の景色がつづきます。食べたいなー。

そしてRojaに到着!
roja1    roja2   roja3
RojaはMalagaとGranadaのちょうど真ん中くらいにある町ですが、内陸で少し標高の高いところにあるので、いきなり寒い。サムー!
町は特にかわいい訳でもなく、ただの田舎って感じですね。
ド田舎でやることも無いので、とりあえずこの旅のメインイベントであるMatanzaの工場のGarcia Lizanaの場所を確認に行こう。
garcia lizana1日曜日で閉まってるから中の様子は解らないですが、間違いない。動物の血とスモークの匂い。絶対ここ。決定! 明日が楽しみ。

そしてお決まりのスーパーマーケット偵察。
paleta    pork brain
左の写真はPaleta(パレタ)と言って豚の前脚の生ハム。しかも驚くべきはこの値段。21ユーロ!?日本で買ったら1万円はするやろ。
そして右の写真。心臓の弱い方は見ないでください。オーマイ  グッドネス!豚の脳!?しかも2個で1ユーロ! 豚がいくらバカでも安過ぎるやろ。おそらく白子みたいな味だと思われます。