スペイン Matanzaの旅④ Extremadura

20.1.2017

スペイン人の友達Pabloの車でExtremaduraのOlivaという街に向かいました。スペイン南部の田舎道ではオリーブ畑をよく見かけますが、SevillaからExtremaduraの道のりはドングリの木でいっぱいでした。

途中休憩で立ち寄ったGalaroza(ガラロサ)のバルで生搾りオレンジジュースを飲みました。バレンシアオレンジって聞いたことありますよね!スペインではこのオレンジジュースを出してるバルがたくさんあって、これがめちゃくちゃ美味しいんです!美味すぎて一気飲みしてしまうので、いつも2杯はいっちゃいます!

ここはExtremaduraのJerez de los Caballeros(ヘレスデロスカバジェロス)という古くかなりヒリーな街です。ここでファクトリーマタンサを見学するために、Emilio Diazへ向かいます。

ここではハモンイベリコ、ハモンセラーノを中心にチョリソ、サルチチョン、モルコンなど非加熱の乾燥熟成加工肉ばかりです。建物内には独特のナッツのような熟成香が充満してます。この香りでワイン飲める!

この建物は3階建てで、1年毎にハモンセラーノを熟成させる場所を変え、夏には40℃以上にもなる環境で熟成を進めるそうです。ハモンの表面はカビだらけでした。こんな熟成肉を作るなんて。やっぱりヨーロッパの肉食文化はとてつもなく分厚いんだなと、改めて感動しました。

Calle Matadero(カジェマタデーロ)かっちょいいストリート名!スペインでは時々ベイビーのセールがあるみたい。

スペイン Matanzaの旅③ Sevilla

Sevillaには古い建物がたくさんありますが過去に万博が2回も開催されたこともあり、新しい建物もたくさんあります。

これは有名な建築家(名前なんやったかな?)が作ったランドマーク的建物。1階は市場になってます。

この市場内にあるバルで出会ったシニョールはスペインでは有名なコメディアンだそうな。寛平ちゃん的な芸風らしいです。

このコーヒーショップは僕たちが泊まってた宿のすぐ横にあったお店で、シャイでダンディーなおじさんが早朝から焙煎しててとってもカッコいい!焙煎マシーンはオランダ製のこだわりのやつやってさ。

スペインではイベリコ豚は全てハムやソーセージに加工されるって聞いてたけど、生肉がスーパーに並んでました。赤くて脂の霜降り具合も調度いい。やっぱ良い食材です。

スペイン南部は昔イスラムの影響を強く受けていたようで、可愛いタイルが町中に溢れています。ここは元修道院で、タイル会社が買取りタイル工場ににしたそうですが今はその工場も閉鎖され、今は美術館になってます。

さあ!ガールズ達とは別行動で、次の日から僕はExtremadura(エストレマドゥーラ)にこの旅のメインイベントであるMatanzaに挑みます。ガールズ達はポルトガルに!

Jambon de Paris

Jambon de Parisジャンボンドパリはフランスではもっともポピュラーな加工肉でしょう。

ジャンボンとはフランス語でモモ肉のこと。ジャンボンドパリを作る時の難しさは、ズバリこの肉の塊の大きさ!
ポイントは①しっかり塩漬けする。②確実に中心まで火を入れつつ中心から遠い部分は火を入れ過ぎずジューシーに。この二つのミッションをどうすればクリアできるか、レシピに頼らず科学的に分析し、それぞれの料理人が全身全霊を注いで工夫すべき奥の深い料理です。

ジャンボンドパリを塩漬けする時、僕はソミュール液に浸けます。理由はできるだけジューシーにしたいのと、長い塩漬け期間でも肉の腐敗を防ぐためです。

塩漬けが終わると形成して常温でしばらく置いときます。形成するときは手の皮が破けるくらいの強い力で!仕上がりにかなり影響します。3℃くらいの冷蔵庫で塩漬けしていた肉をいきなりオーブンに入れると中心温度が十分に上がる前に周りに火が入り過ぎてしまいます。そう、この状態でも調理は始まっているのだ!

eight hills delicatessenでは加工肉の火入れにはスチームコンベクションオーブンを使います。高価ですがなんとか手に入れたい武器ですね。仕上がりが全然違います。

オーブンの温度やモード、時間や肉の向きなど僕なりにかなり試行錯誤してそれなりの答えを出しました。

詳しいことが知りたい方はお店に来て僕に直接聞いてみてくださいねー!

スペイン Matanza(マタンサ)の旅① Malaga

16.1.2017

Matanza(マタンサ)とは豚を屠殺し、ハムやソーセージ、サラミなどを作るスペインの伝統的な儀式のようなものです。このマタンサを体験するため、再びスペインに行きました。今回は工場見学ではなく、ファミリーサイズで行われるリアルマタンサを体験するために。

 

今回の旅は僕と母親、パン屋さんを営む友達と美容関係の仕事をしてる友達の4人で、まずはスペインのMalagaに到着。夜遅かったので街は閑散としてましたが、とりあえずハモンセラーノをつつきながら旅のプランニング。

明日は早朝からSevillaに向かいます。

 

スペインでコーヒーといえばカフェコンレチェ。スペインはMadridとBarcelona以外はとにかく物価が低い。コーヒーは1ユーロしないこともあります。

スペインは意外と言えば失礼ですが鉄道がしっかりしています。サンブラーノ駅からAVEという新幹線みたいな電車でSevillaへ!

西村料理研究所の簡単調理理論! 加熱調理のメカニズム3(輻射熱)

輻射熱(放射熱)とは、温度の高い方から低い方に、赤外線や紫外線などの電磁波によって伝わる熱のこと。

これを調理法と調理器具で具体的にいうと、オーブン(輻射式)でのロースト、炭火焼などです。

輻射熱は伝導熱や対流熱と違って、水や気体、物体などを媒体としない特殊な熱なので、少しイメージしにくいですが、わかりやすい例は太陽ですね。

太陽と地球の間にはかなりの距離があり、空気も無い真空状態ですが、朝に太陽の光を浴びるとすぐに暖かくなりますよね。
これは決して太陽の熱が直接地球に届いてる訳ではなく、詳しくはわかりませんが紫外線や可視光線などの電磁波が直接地球を温めてるのだと思われます。

つまり輻射式の調理とは、熱されたオーブンの壁や天井、真っ赤に燃える炭火からの赤外線によって、直接食材の表面を直接加熱する調理方法なのです。

⚫︎炭火焼

下の図はかなり原始的なローストの絵面ですが、炭火焼のイメージです。

radiation1

下の炭火から出る遠赤外線で食材の表面が直接加熱されてます。
上でも書きましたが、輻射熱は空気やオイル、水などを媒体としないので、横から風が吹いたとしても食材は加熱されます。